公開日:2019年10月23日

プログラミングスクールの広告が非現実的すぎて怖い。プログラミングの世界は甘くない。

最近、プログラミングスクールが何だか熱を帯びてきてますね。

一応、僕もWEB系のプログラミングの分野でもご飯を食べているので、ちょっとだけ口を挟みたくなってしまいました。

プログラミングスクールの広告を見てると、

「さすがに夢を持たせ過ぎじゃない?」

って思ってしまうんです。

  • 年収が1000万円に上がる
  • 短期間で覚えられる
  • スキルの高い講師からのレッスンが受けられる

「本当に!?」って感じです。

プログラミングで年収が1000万円に上がるわけがない

たしかに、IT系は年収が高いです。

でも、プログラミングスクールで覚えたてのプログラマーに1,000万円の給料を払う会社なんてありません。

正直、そこそこ熟練度の高いプログラマーでも難しいじゃないかと思ってます。

少なくとも、僕の周りにはいません。

ただし、フリーランスは違います。

年収1,000万円を超える人は一杯います。

「じゃあ、プログラミングスクールの1,000万円は嘘じゃないじゃん」

と言われると、それは違う。

フリーで年収1,000万円超えるには、たしかにスキルも大事ですが、もっと大事なのが『受注スキル』

お客さんから仕事を得るためのスキルです。

これがあれば、初心者プログラマーでも年収1,000万超える可能性は十分ある。

いるんですよね、なんかすぐ他人と仲良くなっちゃって、すぐ仕事とれちゃう人。

でもそれって、プログラミングスクールに通った結果とは言えない。

元々、『営業』の素質があった人が『プログラミング』という武器を手に入れて、最強になっただけ。

営業の素質がない人にも、年収1,000万円の夢を持たせるのは「なんだかズルいなぁ」と思うんです。

プログラミングを短期間で覚えられるわけがない

もしかしたら、プログラミングスクールの『覚える』と、僕の思ってる『覚える』は意味が違ってるのかもしれません。

たしかに、「プログラミングの言語や文法を覚えること」なら、短期間でできます。

算数の公式を暗記するのと一緒ですからね。

僕の『覚える』は、「言語の使い方を覚えること」です。

目的に応じて、必要なコードが書けること。

算数の公式を自分で作り出す感じに近いです。

例えば、

「ネットショップで注文したユーザーの中から、アウトレットのページを見た履歴があるユーザーだけにクーポンメールを送りたい」

こんな課題があったとします。

プログラミングスクールの短期間で覚えた知識では、まず対応できません。

この課題をクリアする公式なんてありませんからね。

アウトレットページにアクセスがあった際にcookieを使って端末内に情報を残しておくとか、データベースにアウトレットページのアクセス履歴を管理するとか、色々方法はありますが、自分で最適な方法を考えなくてはいけません。

ここで言いたいのは、「プログラミングの暗記がダメ」という事ではないんです。

プログラミングを見つける上で、言語や文法を覚えることは必要なことですから。

でも、それくらいは、プログラミングスクールに行かなくても覚えられるんですよ。

いや、自力で覚えるくらいでないと、プログラミングで食べていくのは不可能です。

プログラミングを職にするというのは、

「毎日、呼吸するのと同じくらいプログラミングに打ち込んでる人たちと勝負する」

ということ。

その現実を知らせないで、プログラミングの世界に夢を見させるのは残酷です。

スキルの高い講師からのレッスンは必要ない

「講師からのレッスンが必要ない」というわけではなく、「スキルの高い講師からのレッスンは必要ない」ということです。

もし、レッスン料が高額な理由に「講師のスキルが高いから」なんて書いてあれば、そのスクールは疑うべき。

そもそも、

「なんでスキルの高い講師が、プログラミングスクールにいるの?」

って感じです。

ただでさえ人手不足なIT業界。

スキルの高いプログラマーが仕事に困るわけもなく、プログラミングスクールよりも何倍もの年収を貰ってるはずなのに・・・

もちろん、「人に教える仕事がやりたい」と思って転職する人もいるでしょうから、みんながみんなとは言いませんが。

ただ、基本的にスキルの高い人材は、今も最前線の現場で働いています。

医者だって、スポーツ選手だって、どの業界も同じです。

体力が衰えてきての引退は分かりますが、プログラミングスクールの講師の顔ぶれを見る限り、みんなまだまだ若そうです。

でも、「スキルの高い講師」って書いてある広告のが信用できそうな気がするのは分かります。

話がそれてしまいました。

プログラミングを覚える上で、講師の存在は大きいです。

ただし、講師に必要なのは「その人のスキル」ではなく「教える上手さ」

プログラミング初心者に教える技術なんて、基礎中の基礎ですから、スキルの高い人がプログラミングを教えても、手に余ると思います。

プログラミング初心者に必要なのは、

  • このコードが動かないのは、なぜですか?
  • このコード、どういう意味を示してるんですか?

この2つの質問に答えられる講師。

特に初心者の頃は、検索の仕方が分からないし、どんなキーワードで検索していいかも分からないはずです。

だから、プログラムが分からなくなったとき、すぐ答えが分かる環境は、非常に学習効率が良い

僕も案件をやっているとき、プログラムがうまく動かないことがあります。

原因は、ちょっとした勘違いだったり、サーバー側の問題だったり、色々あるのですが、解決までにもの凄く無駄な時間を消費します。

聞いても分かる人が少ないから自分で解決するしかないですが、分かる人がいればすぐ聞きたいくらいです。

だから、プログラミングスクールが無駄だとは思っていなくて、現実との剥離が激しいことが怖いんです。

正直、スクールから課題を出されないとプログラミングしない人なんて、この世界じゃ通用しない。

やる気がある人は、スクールに通う前からプログラミングで作品を作ってます。

そして、そんなやる気がある人に必要なのは、『夢の年収1,000万円』だとか『短期間で覚える公式』だとか『スキルだけが高い講師』ではなんです。

「分からないときにすぐ質問できる環境」と、「就職先を斡旋してくれるか?」だと思ってます。

最悪、どんな適当なプログラミングスクールだったとしても、最後に素晴らしい企業へ送り込んでさえくれれば、希望の光が見えてきます。

でも、そんなプログラミングスクールが存在するのか?は、ちょっと疑問です。

以上、「プログラミングスクールの広告が非現実的すぎて怖い。プログラミングの世界は甘くない」でした。

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